「金正恩氏には常時複数人の替え玉が用意されている」という言説は、元北朝鮮工作員や脱北者の証言を引用する形で度々メディアを賑わせてきました。一部の報道では「体格や身長が近い要員が少なくとも2〜3人育成されている」とも噂されています。
確かに、北朝鮮の最高指導者を警護する「護衛司令部」は世界屈指の厳戒態勢を誇り、有事の暗殺回避や移動ルートの陽動(おとり)として、シルエットが酷似した人物を車列に乗せる欺瞞戦術が採用されている可能性は否定できません。これは旧ソ連のスターリンやイラクのサダム・フセインなど、歴代の独裁国家で広く用いられてきた古典的な防諜手法です。
しかし、「陽動のための影武者」と「国家の重要決定を下し首脳会談に臨む影武者」は全くの別物です。現代の高度な監視衛星や盗聴、首脳会談における生体情報の収集環境下で、声紋・筆跡・微細な所作まで完全にコピーした偽者を対外的に通用させ続けることは現実的に不可能とされています。