なぜ人はエネルギーを失い、外部から「覇気がない」と見なされるに至るのか。近代心理学の巨頭アルフレッド・アドラーが唱えた個人の主体性と目的論は、この問いに対して明確な解を与える。アドラー心理学によれば、人間の行動は過去の原因によって縛られるのではなく、未来における「目的」によって駆動される。他者からの批判を恐れるあまり「傷つかないこと」を目的化すると、人は自らの行動や表情を抑制し、結果として無気力な佇まいを装うようになる。
また、ビジネスパーソン向けのアプローチをまとめた『ビジネス心理学大全』などの文献でも論じられている通り、組織内での目標喪失や不明瞭な役割分担は、個人の内的モチベーションを直接的に削ぎ落とす。自身の仕事が誰の役に立っているかという実感(共同体感覚)が得られない環境下では、いかなる人間であっても表情は陰り、声の張りは失われていく。
つまり、表面的な元気さを取り繕おうとする試みは対症療法に過ぎない。内面における「目的意識の再構築」と「他者貢献の実感」が伴わない限り、溢れ出るような生命力、すなわち「覇気」を恒常的に発揮することは不可能なのだ。