株式会社MJGが創業されたのは2011年。当初は地域密着型の整骨院としてスタートしましたが、数年で急速な多店舗展開へと舵を切りました。「PIMバランス整復」と銘打った独自の骨盤矯正技術を掲げ、商業施設や駅前一等地に次々と出店。年間50万人規模のグループ施術実績をアピールし、テレビCMや大々的なプロモーションを展開しました。
しかし、そのビジネスモデルの内実は極めて脆い自転車操業状態でした。MJG接骨院が経営破綻に至った主な要因は、以下の3つの構造的欠陥に集約されます。
第1に、莫大な固定費と広告宣伝費の圧迫です。MJGは元トップアイドルら著名芸能人をアンバサダーに起用し、雑誌広告や看板広告、Webマーケティングに毎月数千万円規模のプロモーション費用を投じていました。これに加え、好立地への連続出店に伴う敷金・保証金、内装工事費、さらに業界水準を上回る初任給を提示して柔道整復師を大量採用したことで、固定費は雪だるま式に膨張していきました。
第2に、前受金(回数券)依存の資金繰りモデルです。新規顧客に対して初回格安キャンペーンで来店を促し、その場で10万円から数十万円におよぶ複数回コースの回数券を購入させる営業スタイルを徹底していました。この前受金が新規出店の費用や既存赤字の補填に充当されていたため、新規契約のペースがわずかでも鈍化すれば即座にキャッシュフローがショートする危険な財務構造となっていたのです。
第3に、療養費(保険請求)の適正化に伴う収益悪化とコンプライアンス問題です。接骨院・整骨院における健康保険の適用範囲は、骨折・脱臼・打撲・捻挫などの急性外傷に限定されています。しかし、慢性的な肩こりや腰痛に対する施術、交通事故対応などをめぐる保険適用と自費施術のグレーゾーン運用に対し、行政や保険者による審査が年々厳格化。保険収入への依存が難しくなったことが決定打となりました。