ゴキブリが鳴く噂は本当?コオロギの鳴き声との見分け方と真相を徹底解説

ゴキブリが鳴く噂は本当?コオロギの鳴き声との見分け方と真相を徹底解説

ゴキブリが鳴く噂は本当?コオロギの鳴き声との見分け方と真相を徹底解説についての最新情報をお届けします。

結論から明かすと、日本の一般家屋で繁殖するクロゴキブリやチャバネゴキブリ、ワモンゴキブリには発音器官(翅をこすり合わせて音を出す構造)が存在しないため、コオロギのように美しい声や明確な鳴き声で鳴くことは構造上あり得ません。害虫防除の専門機関や衛生動物学会の学術調査でも、在来系家屋害虫が鳴き声を発した公式記録は確認されていません。

ではなぜ、これほど多くの人が「ゴキブリが鳴いた」と証言するのでしょうか。その背景には、主に3つの物理的・心理的要因が存在します。

第1に、翅(はね)や脚が建材に当たる摩擦音です。ゴキブリが狭い隙間を移動する際、硬い前翅や棘のある脚が段ボール、ビニール袋、薄い木板に擦れ、「ギギッ」「カサッ」「パサパサ」という乾いた接触音を立てます。この摩擦音が、静寂な室内で人間の耳に「虫の鳴き声」や「威嚇音」として知覚されるケースが多発しています。

第2に、特殊な外来種による威嚇発音の存在です。ペット用や研究用として輸入される「マダガスカルゴキブリ(マダガスカルヒッシングローチ)」などの一部外来種は、腹部の第4気門(呼吸孔)から空気を勢いよく噴出させて「シューッ」「シュッシュッ」という鋭い威嚇音を鳴らします。この特徴的な生態が動画共有サイトやSNSで拡散された結果、「ゴキブリ=威嚇で鳴く生き物」というイメージが定着し、国内の通常種と混同される要因となりました。

第3に、室内へ侵入した別の鳴く虫との誤認です。秋口を中心に、ベランダや玄関から迷い込んだコオロギやクビキリギスが家具の裏に隠れて鳴いているにもかかわらず、姿が見えないために「部屋に潜むゴキブリが鳴いているのではないか」と恐怖心から脳内変換してしまう現象が後を絶ちません。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。