見え消しを扱う際、ビジネスマナーやセキュリティ上の認識不足から、重大なインシデントに発展するケースが散見されます。特に警戒すべき3つの落とし穴を整理します。
盲点1:社内検討のコメントを残したまま社外へ送付する「メタデータ漏洩」
Wordの変更履歴をオンにしたまま作業していると、文章の変更だけでなく「ここを譲歩すると利益が200万円下がるので粘りたい」「先方の担当者が気づかなければこのまま通す」といった社内限定のコメントや作成者の氏名・編集日時などのメタデータがファイル内部に蓄積されます。これを相手方にそのままメール送信してしまい、交渉の機密情報がすべて露呈する事故は毎年発生しています。社外へ見え消し版を送る際は、校閲タブの「ドキュメントの検査」を実行し、内部コメントを完全に削除したことを確認しなければなりません。
盲点2:手動の取り消し線フォントと変更履歴の混同
文字装飾ツールにある「取り消し線(フォント設定)」で手動で見え消しを作ってしまうと、解除する際に一つひとつの線を手動で消さなければならず、修正漏れの温床となります。継続的な推敲が発生するビジネス文書では、必ずソフトウエアの変更履歴機能を使用するのが鉄則です。
盲点3:見え消し版単体での送りつけ
大幅な修正を行った場合、相手方には「見え消し版(どこが変わったかを示すファイル)」だけでなく、同時に「クリーン版(変更をすべて反映した完成形ファイル)」の2種類をセットで送るのが高度なビジネスマナーです。相手は変更点を吟味したい段階と、文意が流暢に通るかを通読したい段階の両方があるため、両方を添付することで相手の手間を格段に省くことができます。