強大なリーダーシップを誇る一方で、世間から注目されるのが霧島酒造の同族経営の実態です。同社はグループ統括会社として「霧島ホールディングス」を組成し、事業会社である霧島酒造をはじめとする各子会社を傘下に収める強固な持ち株会社体制を敷いています。
霧島ホールディングスの役員構成を確認すると、江夏順行氏や江夏拓三氏ら創業家メンバーがグループの中枢を固めつつ、製造、営業、管理部門には生え抜きの優秀な専門役員を配置するハイブリッドな布陣が取られています。ワンマン体制に陥りがちな同族経営の弊害を防ぎ、迅速な意思決定と現場起点のガバナンスを両立させている点が特徴です。
さらに同社は、焼酎製造の副産物である「焼酎粕」を利用したバイオマス発電事業や、クラフトビール事業「霧島ビール」、レストラン・観光施設の運営など、循環型社会を見据えた多角化戦略を展開。単なる酒類メーカーにとどまらない総合食品・エネルギー企業への脱皮を着々と進めています。