同型艦であるアイオワ級戦艦(アイオワ、ニュージャージー、ミズーリ、ウィスコンシン)の4隻を比較すると、それぞれ際立った個性を持っています。降伏文書調印式の舞台となったミズーリ(BB-63)が歴史的知名度で先行する一方、実戦任務における最長航海日数と最多戦功を誇るのはニュージャージーです。機関出力は21万2,000馬力を誇り、満載排水量5万7,000トンを超える巨体でありながら、公試速度で33ノット以上を記録した「史上最速の戦艦」でもありました。
これほど強力な戦力でありながら、最終的に戦艦ニュージャージーが退役に至った理由は、時代の変化に伴うコストパフォーマンスと戦略ドクトリンの転換にありました。1隻の運用に約1,500名もの乗組員を要すること、膨大な燃料消費量、そして冷戦終結によるソ連脅威の消滅が決定打となりました。
誘導ミサイルを主兵装とするイージス巡洋艦や駆逐艦、空母航空団の長距離攻撃力が成熟した現代海軍において、巨額の維持費がかかる戦艦を常時配備し続ける意義は薄れ、1991年に惜しまれつつも最終的な役目を終えることとなったのです。