ネット上の口コミや旅行ブログにおいて、時折「待ち時間が長い」「香川のうどんとしては値段が高め」といった声が見受けられますが、これらは讃岐うどんの業態の違いに対する誤解から生じているケースが大半です。
香川県民が日常使いする「かけうどん1杯300円前後、入店から3分で退店するセルフうどん」と、しんぺいうどんのような「職人が一杯ずつ丁寧に手打ち・茹で上げを行い、揚げたての天ぷらを席まで運ぶ一般店」は、そもそも提供している食体験のカテゴリーが異なります。
香川の外食文化史を紐解くと、かつて讃岐うどんは割烹や専門店でゆっくり味わう料理でした。昭和後期から平成にかけてファストフード的なセルフ店が爆発的に普及した結果、「うどん=激安・超速」という画一的なパブリックイメージが形成された経緯があります。しんぺいうどんは、そのファスト化の波に抗い、讃岐うどん本来が持つ「極上の手打ち技術と出来立ての贅沢感」を現代的な感性で再構築している店舗なのです。