「自然に消えない可能性があるのなら、早いうちに医療的な介入をすべきか」という相談が形成外科には数多く寄せられます。現在、赤あざ治療のゴールドスタンダードとして世界中で用いられているのが、Vbeam(パルス色素レーザー)をはじめとするレーザー機器です。
日本形成外科学会および日本小児皮膚科学会の治療指針において、血管腫や毛細血管奇形に対するレーザー治療は確立された選択肢です。厚生労働省の保険適用対象となっており、乳幼児医療費助成制度を利用できる自治体も多いため、経済的なハードルはかつてより大幅に下がっています。レーザー光が血管内の酸化ヘモグロビンに選択的に吸収され、周囲の正常組織を傷つけることなく異常血管のみを凝固・閉塞させる仕組みです。
ただし、レーザー医学の専門医の間でも、うなじの病変に対する早期照射の必要性については慎重な議論がなされています。頭髪に覆われて整容的な問題になりにくい部位であること、乳幼児期の照射には痛みを伴うこと、場合によっては全身麻酔や鎮静が必要になるリスクを考慮しなければならないからです。無理に生後数ヶ月で治療を急ぐのではなく、本人が意思表示できるようになる学童期まで待つ、あるいは自然消退の限界を見極めてから判断するというアプローチも広く支持されています。