「持ち家」「マイカー」「ブランド品」——昭和の時代に成功の証とされた記号に対する執着は、驚くほど薄れた。サブスクリプションやシェアリングエコノミーの浸透により、必要な時だけ必要な分を利用するスタイルが定着。所有に伴う維持費やリスクを徹底的に削ぎ落とす生き方が、現代のスマートな選択とされる。
この「所有しない精神」は、人間関係にも色濃く反映されている。地域社会や会社といった固定化されたコミュニティに縛られることを嫌う一方で、共通の嗜好や価値観で緩やかにつながるサードプレイスをいくつも保持する。深入りしすぎず、孤立もしない。この適度なディスタンスが、過密社会を生き抜く防波堤となっている。