美食の都・東京において、39階のフレンチファインダイニング「est(エスト)」の存在感は際立っている。厨房を率いるのは、気鋭のシェフ、ギヨーム・ブラカヴァル。彼は日本全国の生産者を自ら訪ね歩き、土壌の匂いや季節の移ろいを肌で感じ取った上でメニューを紡ぎ出す。
提供される皿の数々は、軽やかでありながら驚くほど重層的だ。厳選された日本の魚介や旬の野菜が、クラシカルなフランス料理の技術と出逢い、まったく新しい輪郭を描き出す。『ミシュランガイド東京』で星を獲得し続ける理由も、一口味わえば明白だろう。隣接するルーフトップテラスを備えたイタリアン「PIGNETO(ピニェート)」の陽気な喧騒とは対照的に、estのテーブルには親密で贅沢な時間が流れている。