多くのオフィスワーカーが最も衝撃を受けたのが、ブラウザ感覚で複数ファイルを扱えるWindowsメモ帳タブ機能の追加でした。ウィンドウを無数に立ち上げてタスクバーを埋め尽くす時代は終わり、1つの画面内でショートカットを駆使して軽快にドキュメントを行き来できる環境が整いました。
しかし、このタブ機能とセットで導入された挙動を巡り、現場では少なからぬ混乱が発生しています。それこそが、いわゆるWindowsメモ帳自動保存の真相です。作業途中のメモ帳でウインドウ右上の「×」ボタンを押しても、従来の「変更内容を保存しますか?」という警告ダイアログが出ずにそのまま画面が閉じ、次回起動時に何事もなかったかのように前回のタブと記述内容が復元される仕様になりました。
ここで絶対に警戒すべきなのは、「メモ帳がファイルを自動で上書き保存してくれているわけではない」という点です。内部で行われているのは、あくまで作業セッション(開いていたタブと入力中の文字列データ)の一時退避に過ぎません。新規作成した無題のメモは、PCのストレージ上に正式な「.txtファイル」として保存されたわけではなく、後述する特殊なキャッシュ領域に保持されているだけです。この技術的背景を理解していないと、「保存されたと思い込んで別の端末を探してもファイルが見当たらない」「PCのクラッシュ時に一斉にメモが吹き飛ぶ」といった深刻な事故に直面することになります。