単なる成功物語ではなく、事件ノンフィクションの冷徹な眼差しでこのコンビを観察すると、そこには共依存と反発が複雑に絡み合った特異な絆が見えてくる。どれほど仲違いが噂され、互いに辛辣な言葉を浴びせ合おうとも、たけしは決してきよしを完全には切り捨てなかった。
「あいつがいたから、俺は好き勝手ボケられた」。後年、たけしが漏らしたこの言葉に、コンビの真髄が集約されている。天才の暴走を受け止め、世間との緩衝材となり続けた相方の存在。飛び降り騒動をはじめとする無数の危ういエピソードは、破滅と紙一重の緊張感のなかでしか成立し得なかった、彼らの魂の交歓の副産物だったのだ。