シーズン4を語る上で欠かせない名場面が、第4話「親愛なるビリーへ」で描かれたマックスの脱出劇です。ヴェクナの精神世界「マインド・レア」に囚われ、絶体絶命の危機に瀕したマックスを救ったのは、カセットテープのウォークマンから流れるお気に入りの音楽と、仲間たちとの強い絆でした。
現実世界で異変を察知したルーカスやダスティンたちは、音楽が脳の感情領域を刺激し現実へと意識を繋ぎ止めるアンカーになることを突き止めます。マックスの耳元で再生されたのが、ケイト・ブッシュの1985年の名曲『走る君の影(Running Up That Hill)』でした。
曲が鳴り響いた瞬間、マックスの脳裏にはルーカスと笑い合った日々や仲間たちと過ごした温かい記憶が鮮烈に蘇ります。「まだ死にたくない、みんなと一緒に生きたい」という強烈な生存本能を呼び覚ました彼女は、ヴェクナの拘束を力づくで引きちぎり、現実世界へと全力で駆け抜けました。このシーンは劇中の感動にとどまらず、現実世界の音楽チャートでも同曲が数十年の時を経て世界1位に返り咲くという異例の社会現象を巻き起こしました。