武蔵野美術大学を卒業後、2003年11月に当代屈指の本格派巨匠である柳家さん喬に入門しました。兄弟子には、現在の落語界を牽引するスーパースター・柳家喬太郎をはじめ、実力派がずらりと顔を揃える名門一門です。
前座名は、入門時の小柄でピリリと辛味の効いたキャラクターから「わさび」と命名。厳しい前座修業を経て、2008年に二ツ目へ昇進、そして2019年9月に見事、真打昇進を果たしました。入門当初のエピソードとして、師匠のさん喬はわさびの線が細く控えめな性格を心配しながらも、「その繊細さこそがお前の個性であり、他にはない武器になる」と温かく見守り続けたと伝えられています。
人情噺の名手である師匠・さん喬の教えを忠実に守り、古典落語の基礎を徹底的に叩き込まれたからこそ、わさびの演じる登場人物には単なるギャグにとどまらない人間味と説得力が宿っています。師弟の厚い信頼関係は、落語ファンの間でも心温まる美談として語り継がれています。