福田己津央監督の現在と歩み|Seed劇場版ヒットの裏側と妻との絆

福田己津央監督の現在と歩み|Seed劇場版ヒットの裏側と妻との絆

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福田己津央氏のクリエイター人生を語る上で欠かせない存在が、公私にわたる最大のパートナーであり、数々のヒット作を支えた脚本家・両澤千晶氏(2016年逝去)の存在です。夫婦として、そして監督とシリーズ構成・メインライターとして、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』や『GEAR戦士電童』、そして『ガンダムSEED』シリーズの根幹を共に築き上げました。

劇場版SEEDの企画は2006年に一度発表されながらも、両澤氏の体調不良や病気療養によって執筆作業が難航し、制作は事実上の凍結状態に陥っていました。そして2016年、両澤氏が志半ばでこの世を去ったことで、ファンからは「幻の企画になるのではないか」と危惧されていたのが当時の実情です。

しかし、福田監督は彼女が生前に書き遺していた膨大なプロットと脚本の骨子を決して手放しませんでした。両澤氏の遺志を継ぐ形で、小説家の後藤リウ氏や制作陣と何度も推敲を重ね、「両澤千晶が描きたかったキラやラクスたちの愛と葛藤の物語」を完璧な形でスクリーンに蘇らせたのです。エンドロールに刻まれた「脚本:両澤千晶」の文字は、20年の歳月を超えて妻との約束を果たした福田監督の揺るぎない覚悟と愛の証でした。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。