フォカッチャ作りに挑む際、多くの人が迷うのが「フレッシュ(生)」と「ドライ(乾燥)」のどちらを選ぶべきかという問題です。結論から言えば、目指す風味の輪郭と使用する工程によって明確な使い分けが存在します。
生のフレッシュローズマリーは、みずみずしい青々しさと柑橘を思わせる華やかなトップノートが特徴です。一方で水分を含んでいるため、長時間の加熱で水分が飛ぶと一気に焦げやすくなるリスクを孕んでいます。対して乾燥ローズマリーは、水分が抜けて香りが凝縮されており、ウッディで重厚なベースノートを放ちますが、そのままトッピングすると硬い針状の食感が舌に刺さり、口当たりを損ねてしまいます。
失敗を防ぐための鉄則は、「フォカッチャにローズマリーを入れるタイミング」を分けることです。生地自体に香りを練り込みたい場合は、乾燥ローズマリーを細かく刻んで一次発酵の前の捏ね上げ段階で少量混ぜ込みます。一方、フォカッチャ特有の鮮烈なアロマを表面から立たせたい場合は、生のフレッシュハーブを二次発酵の直後、焼成直前の指で穴を開けるタイミングでトッピングするのが理想的です。