食品・調理業界では近年、精肉の鮮度保持技術やプロセスのデジタル化が進み、一般家庭で手に入るミンチ肉の品質そのものが格段に向上している。農林水産省が推進する食育プロジェクトや国産畜産物の消費拡大運動の後押しもあり、消費者の「肉の扱い方」に対する知識と関心はかつてないほど高まっている。
パックから出したばかりの挽き肉をそのままフライパンに投入するのではなく、塩を振って軽く休ませるタンパク質の保水化処理や、臭みを消すためにナツメグやオールスパイスなどのスパイスを効かせるタイミングの科学的根拠が解明されてきた。こうした下処理の一工夫が、肉本来の旨味を最大限に引き出し、安価な食材であっても妥協のないディナーへと進化させるのだ。