ソロ歌手としても「シンデレラたちへの伝言」などのヒットを連発し、女優としての未来も約束されていた1988年、高井麻巳子は突然芸能界からの引退を宣言する。フジテレビの関係者や当時のスタッフ、そして日本中のファンに衝撃が走った。
引退の裏にあったのは、芸能界というスポットライトの当たる世界よりも、大切な人とともに歩む人生を真っ直ぐに選ぶという彼女自身の固い意志だった。多くのプロダクションから引き留めの声が上がったものの、未練を一切見せずにマイクを置いた。裏話として語り継がれるのは、彼女が去り際に周囲のスタッフ一人ひとりへ見せた温かい気配りと感謝の言葉だ。その一貫した美学が、電撃引退を伝説へと昇華させた。