週末のアクティビティとして人気の高い観光地での乗馬体験や乗馬クラブのレッスンにおいても、重大な怪我のリスクは潜んでいます。初心者が馬上から投げ出されて骨盤骨折や脊椎損傷を負う事故や、最悪の場合は頭部を強打して死亡に至る事例も過去に報告されています。
こうした事故が起きた際、激しく争われるのが乗馬クラブ側の安全配慮義務と法的責任問題です。乗馬体験の受付時には「万一の事故に際し、クラブ側の責任を問わない」とする免責同意書に署名させられるケースが一般的ですが、法的にはこの書類だけで施設側の責任が完全に免除されるわけではありません。
消費者契約法や民法の観点から、事業者側に重大な過失がある場合(適切な安全指導を怠った、ヘルメットの着用義務付けを怠った、初心者に適さない気性の荒い馬を割り当てたなど)は、免責条項が無効と判断されます。裁判例においても、インストラクターの配置数や手綱の保持指導に不備があったとして、数千万円規模の損害賠償支払いが命じられた判決が複数存在します。