埼玉のバドミントンを語る上で、埼玉栄中学校の存在を外すことはできない。全国中学校バドミントン大会を幾度となく制覇し、数多のトップ選手を日本代表へと送り出してきた名門中の名門だ。整然としたフォーメーション、一切の無駄を削ぎ落としたフットワーク、そして何より勝負どころを逃さない勝負勘。彼らが長年築き上げた壁は、あまりにも高くそびえ立っていた。
しかし、近年のコートサイドからは異なる熱気が立ち込めている。越谷、所沢、川口といった地域の公立校や拠点クラブが、緻密なスカウティングと最新のフィジカルトレーニングを取り入れ、王者の背中に猛追をかけているのだ。かつてのように一方的なスコアで終わる試合は激減した。ファイナルゲームのデュースにもつれ込む泥臭いラリーの応酬が、予選ブロックの段階から当たり前のように繰り広げられている。