今大会の勝因を語る上で欠かせないのが、明徳義塾の指揮官でもある馬淵史郎監督の采配です。高校野球界きっての知将が下した決断は、従来の「甲子園のホームランバッターを並べる」選出基準からの完全な脱却でした。
2023年U-18日本代表選考理由の根幹にあったのは、「木製バットへの対応力」「守備のユーティリティ性」「国際基準のストライクゾーンへの適応力」という3点です。金属バットの反発力に頼った長打力ではなく、逆方向へライナー性の打球を運べるミート技術、1点を確実に守り切る内外野のポジショニング、そして複数ポジションを高水準でこなせる柔軟性を基準に精鋭20名が絞り込まれました。
「国際大会で勝つためには、長打を狙って三振するよりも、転がしてプレッシャーをかける方が勝率は圧倒的に高くなる」。馬淵監督が大会前後の公式会見で語ったこの哲学通り、日本代表はスクイズやエンドラン、セーフティバントを効果的に繰り出し、世界の強豪国を心理的・戦術的に追い詰めました。