1960年代後半から70年代にかけて、ニューヨークのカルティエで異彩を放った天才デザイナー、アルド・チプロ。彼の直感と独創性こそが、現代の二大アイコンを生み出した。日常生活の中にある工業的なネジや無骨な釘を、エレガンスへと転換させた発想の飛躍。それは当時の伝統的なジュエリーブティックの常識を根底から覆す革命的試みだった。
かつてルイ=フランソワ・カルティエが築いた王室御用達の格式高い伝統。そこにアルド・チプロが持ち込んだニューヨーカーらしい大胆で実用主義的な情熱が融合した。この幸福な化学反応こそが、半世紀以上が経過した現在もなお衰えない圧倒的なデザイン強度の源泉である。