この独創的なゲームの根底には、特撮ドラマ『ウルトラセブン』に登場するカプセル怪獣の存在があった。小さなカプセルから味方の巨獣を召喚して戦わせるというギミックに、田尻氏自身の幼少期の記憶――東京都町田市の雑木林で夢中になった昆虫採集の原体験――が鮮烈に重なり合った瞬間、プロジェクトは決定的な推進力を得た。
任天堂株式会社の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」を手にした田尻氏は、対戦相手と本体をつなぐ通信ケーブルを見て直感する。「この線の中を、モンスターそのものが歩いて相手の画面へ渡っていったらどれほど面白いだろうか」。単なるスコア争いや対戦ツールと見なされていたケーブルを、他者との生物の「交換」というコミュニケーションの架け橋へと再定義した瞬間だった。