写真写りの違和感は、心理的な問題だけにとどまりません。機器側の構造、とりわけカメラのレンズの歪みが顔に与える影響は決定的な要因です。
スマートフォンのメインカメラには、狭い室内や風景を広く写すために広角レンズが標準採用されています。広角レンズには「中央に近い被写体が手前に飛び出し、周辺部が引き伸ばされる」という強いパースペクティブ歪みが発生する性質があります。至近距離からスマホを向けられると、顔の中央にある鼻が大きく膨張し、耳やフェイスラインが奥へ小さくすぼんでしまい、実物とは似ても似つかない丸顔や膨張した印象を与えてしまいます。
一眼レフを扱うプロカメラマンがポートレート(人物撮影)を行う際、歪みの少ない中望遠レンズ(85mm〜135mm前後)を使い、被写体から数メートル離れて撮影するのはこのためです。スマホで至近距離から撮影されたスナップ写真は、光学的に顔が崩れて写りやすい構造になっていることを理解しておく必要があります。
加えて、照明環境も仕上がりを大きく左右します。頭上からの蛍光灯や直射日光(トップライト)は、目の下にくっきりとしたクマを作り、ほうれい線を深く刻み込みます。光がフラットに回っていない環境では、顔の凹凸が陰影によって強調され、実年齢以上に老けた印象を与えてしまうのです。