ビジュアルの変貌以上に現地を驚かせているのが、セルティックにおける戦術的影響力の拡大です。スコティッシュ・プレミアシップにおいて、前田大然は単なるウイングやフォワードの枠組みを完全に超越しています。相手ボールになった瞬間にトップスピードへギアを入れ、相手のセンターバックやゴールキーパーへ猛然と襲いかかるプレッシングは、現地スコットランドメディアから「人間離れしたプレス機械(Pressing Machine)」と最大級の賛辞を浴び続けています。
前田の走力を語る上で欠かせないのが、公称50m走5秒8という規格外のスプリント能力です。現代フットボールにおいてスピード自慢のウインガーは少なくありませんが、前田が決定的に異なるのは「そのトップスピードを90分間、何度でも繰り返せる驚異の回復力」にあります。欧州カップ戦や国内リーグのトラッキングデータにおいて、前田のスプリント回数は1試合あたり40回〜50回を平然と記録。これは欧州主要リーグの平均的なウインガーの数値を20〜30%以上上回る異常値です。
さらに近年は、指揮官の戦術要求に応える形でオフ・ザ・ボールのポジショニングやラストパスの精度が大幅に向上しました。ただ縦に突破するだけでなく、味方サイドバックのインナーラップを促すスペースメイクや、逆サイドからのクロスに対してファーサイドへ飛び込む嗅覚が研ぎ澄まされ、ゴールとアシストの数字を着実に積み上げています。負傷離脱を経験した時期もありましたが、驚異的な身体回復力で即座にトップフォームを取り戻し、首脳陣やチームメイトから絶大な信頼を勝ち取っています。