指定医薬部外品として安全性が確立されているにもかかわらず、なぜ「顔に塗ったら肌が荒れた」「ニキビが悪化した」という報告が後を絶たないのでしょうか。そこには皮膚科学的な明確な理由が存在します。
第一の要因は「dl-カンフル」による皮膚刺激です。カンフル(樟脳)は血行を促す優れた作用を持つ反面、敏感肌や皮膚バリア機能が低下している状態では、強いヒリつきや赤み、かゆみを引き起こす刺激因子となります。手のひらやかかとのような角層が厚い部位では心地よい刺激であっても、皮膚が薄くデリケートな顔の皮膚(特に目の周りや口元)にとっては過剰な刺激となるケースがあるのです。
第二の要因は、基剤の油分と高濃度保湿成分による「毛穴の閉塞とアクネ菌の増殖」です。ユースキンはひび・あかぎれを治療するために密着性の高い処方設計になっています。皮脂分泌が活発なTゾーンや思春期ニキビができやすい肌に厚塗りすると、毛穴に油分が蓋をしてしまい、嫌気性菌であるアクネ菌が爆発的に繁殖します。その結果、「ニキビを治そうとして塗ったのに、かえって赤ニキビやコメドが大量発生した」という失敗事例につながります。
第三の要因は、ネット上の美容法「ユースキン顔パック」の誤用です。洗顔後にユースキンを顔全体が真っ白になるほど厚塗りし、10〜15分放置した後に洗い流すという民間療法がSNSで拡散されました。しかし、これは角層バリアが強固な普通肌〜脂性乾燥肌の一部で一時的なエモリエント効果を感じる場合があるものの、敏感肌にとっては閉塞療法(ODT)に近い状態を作り出し、カンフルの刺激を何倍にも増幅させて接触皮膚炎を誘発するリスクを孕んでいます。