デルフィニウムの全体的な花言葉には、「清明」「高貴」「慈悲」「あなたは幸福をふりまく」といった美しくポジティブな意味が定着しています。しかし、ネット上で「怖い」と囁かれる背景には、「傲慢」「尊大」「浮気心」「変りやすい心」という対照的な裏の言葉が存在するためです。
この二面性を生み出した最大の要因は、古代ギリシャ神話の悲劇にあります。ギリシャの英雄アキレウスの死後、彼の遺品である名高き鎧を巡って知将オデュッセウスと勇将アイアースが激しく争いました。審判の結果、鎧を勝ち取れずプライドを激しく傷つけられたアイアースは、激しい怒りと自らの「傲慢さ」から発狂し、自決へと追い込まれます。その大地に流れ落ちた血から咲いた花がデルフィニウム(または近縁の飛燕草)とされ、英雄の哀しいプライドと過失を象徴する花言葉が刻まれました。
また、英語圏における花言葉(西洋花言葉)では、「fickleness(浮気心、気まぐれ)」「levity(軽率、陽気)」という意味も持っています。花びらが重なり合って風に揺れる軽やかな姿や、季節の移ろいとともに色あせやすい性質が、人の心の移ろいやすさに結びつけられたと分析されています。