迎え火をスムーズに行うためには、数日前からの道具の準備が欠かせません。基本となるのは素焼きの平皿である「焙烙(ほうろく・ほうろくざら)」と、皮を剥いだ麻の茎である「麻がら(おがら)」です。
準備する仏具と入手先
麻がらは「清浄な植物」として古くから神仏事に用いられ、悪霊を祓い場を清める意味を持っています。お盆の直前期(7月初旬および8月上旬)になると、生花店、ホームセンター、スーパーマーケットの特設コーナー、仏壇仏具店などで1束200円〜500円程度で販売されます。直前になると売り切れるケースも見られるため、1週間前を目安に確保しておくと安心です。
迎え火・送り火の具体的な実践ステップ
戸建て住宅の場合、焚く場所は「玄関先」や「門口」の外側が基本です。先祖が外から戻ってくる際の目印とするため、家の中ではなく屋外の敷地境界近くで行います。
- 焙烙皿の設置:玄関前の平らで安全な場所に焙烙皿を置きます。風で灰が飛ばないよう風除けの配慮をします。
- 麻がらを組む:麻がらを手で10cm〜15cm程度に折り、焙烙皿の上で井桁(いげた)状や山型に組みます。
- 着火と合掌:マッチやライターで麻がらに火を点けます。煙と炎が立ち上ったら、家族全員で手を合わせ、心の中で「お帰りなさい」と唱えて先祖を迎えます。
- 送り火の手順(最終日):盆明けの16日夕方、同じ場所で同様に麻がらを焚き、「ありがとうございました、道中お気をつけてお戻りください」と感謝を込めて見送ります。
火の消し方には細心の注意を払わなければなりません。麻がらは燃焼速度が速く短時間で燃え尽きますが、内部に火種が残ることがあります。火が消えたのを確認した後、水を張ったバケツを用意し、確実に水をかけて完全鎮火させます。燃え殻は冷めた後、自治体の分別ルール(可燃ごみ等)に従って処分します。