刑務官の制服と警察官の制服は、遠目にはどちらも濃紺を基調とした公務員の制服に見えるため、一般には混同されがちです。しかし、管轄官庁、法的根拠、着用目的において明確な差異が存在します。刑務官の制服は法務省が定める「刑務官服制規則」に基づき支給される国家公務員の制服であり、都道府県警察の警察官(地方公務員・指定階級以上は国家公務員)の服制とは法的に完全に独立しています。
視覚的な最大の違いは、胸元および制帽のエンブレムです。警察官が日本の警察を象徴する「旭日章(きょくじつしょう)」を冠しているのに対し、刑務官は法務省・矯正局のシンボルである「五三の桐(ごさんのきり)」に菊葉をあしらった独自の徽章を掲げています。また、上衣のボタンやネクタイピンの細部に至るまで、この桐章が刻印されています。
色合いにおいても、警察官の冬服が深みのあるダークネイビーであるのに対し、刑務官の制服はやや青みがかった落ち着いた濃紺(ナス紺に近い色調)が採用されており、室内照明の多い施設内での視認性と威厳を両立させる工夫が施されています。