初代『ポケットモンスター 赤・緑』において、なみのりの入手はゲーム攻略上の大きな難関の一つでした。セキチクシティに位置するサファリゾーンの最奥エリア「トレジャーハウス」へ、限られた歩数制限の中で到達しなければ「ひでんマシン03」を手に入れることができませんでした。水辺を渡れなければグレンタウンや双子島へのルートが完全に遮断されるため、当時の少年少女にとってサファリゾーンのルート開拓はまさに試練そのものでした。
続く第4世代『ダイヤモンド・パール(DPt)』では、ストーリー中盤のカンナギタウンの遺跡イベント後、シロナの祖母から「なみのり」を託されるドラマチックな導線が敷かれました。ヨスガジムをクリアしてバッジを入手するまでフィールド使用が解禁されない設計など、探索の段階的な開放を担うキーツールとして機能していたのです。
しかし、手持ちポケモンの4つの技スペースの1つを移動専用技で圧迫してしまう「秘伝要員問題」は長年プレイヤーの間で議論の的でした。この構造的課題に終止符を打ったのが第7世代のライドギアであり、最新の『ポケモンSV』におけるライド技(なみのり)です。SVでは「レジェンドルート」にて「大空のヌシ・オトシドリ」を撃破することで、相棒であるコライドン・ミライドンが水上ダッシュ能力を獲得します。技スロットを一切犠牲にすることなく広大なパルデアの大海原へ漕ぎ出せる現在のシステムは、オープンワールドRPGとしての快適性を極限まで高めた結果といえます。