感情を豊かに彩る一方で、文脈を誤ると深刻な人間関係のトラブルやハラスメント問題に直結するのがハート絵文字 危険な意味の側面だ。特にデジタルネイティブ世代とそれ以外の世代、あるいは日本国内とグローバルコミュニティの間には、埋めがたい認識の断絶が存在する。
最も典型的なリスクが、「職場コミュニケーションにおけるセクシャルハラスメントの誘発」だ。送信側の上司が「業務への感謝や労い」のつもりで送ったハート絵文字であっても、受信側の部下が「距離感を無視した威圧的なアプローチ」「下心のあるメッセージ」と受け取るケースが多発している。労働問題に詳しい専門家からも、上下関係が存在するビジネスチャットでのハート絵文字使用は、意図に関わらず心理的バウンダリー(境界線)を侵害する重大なリスク要因として指摘されている。
さらに、海外ユーザーとのやり取りにおけるスラングの罠も見逃せない。先述した紫のハート(💜)や、桃(🍑)・ナス(🍆)などの絵文字と組み合わせたハートの使用は、北米圏のチャット文化において露骨な性的アプローチ(セクスティング)と解釈されるのが通例だ。「色が綺麗だから」「なんとなく可愛いから」という感覚でオープンなSNSに投稿すると、予期せぬトラブルやスパムアカウントの標的となる危険を孕んでいる。