一般的に心筋梗塞は動脈硬化が進む50代〜60代以降に好発する疾患として知られています。循環器内科の臨床データにおいても、30代前半での発症割合は全体の数パーセント未満と極めて稀です。なぜ健康そうに見えた洋さんが、若くして心筋梗塞を発症してしまったのか。そこには彼が過去に経験した極端な身体的変化と過密なライフスタイルが関係していると考えられています。
洋さんはかつて体重が100kg近くあり、20代の頃に独自の食事制限と激しい運動によって約35kgの急激な減量を成功させた過去をテレビ番組や著書で公表していました。急激なダイエットやリバウンドの繰り返しは、血管壁に大きな負荷をかけ、若年性であっても血管内皮の障害やプラーク(粥腫)の形成を促進させるリスク因子となります。
医学的知見に基づけば、若年者の急性心筋梗塞では、長年蓄積された石灰化動脈硬化だけでなく、一時的な強いストレスや疲労、脱水などが重なった際に起きる「冠動脈攣縮(スパズム)」や微小プラークの急激な破綻が要因となるケースが多々見られます。洋さんの場合も、表舞台で見せるエネルギッシュな姿の裏で、身体は限界近くまで負荷を溜め込んでいたと考えられます。