戦闘描写だけでなく、言葉の重みによって読者の心を鷲掴みにする点も本作の際立った特徴です。極限の生死の狭間で紡がれるセリフの数々は、単なるフィクションの枠を超えて現実を生きる私たちの胸にも深く突き刺さります。
中でも屈指の名シーンとして世界中で称賛されるのが、ウォール・マリア奪還作戦におけるエルヴィン・スミスの最後の演説です。自らの夢を諦め、新兵たちを率いて獣の巨人の投石の中へと突撃する直前、彼はこう叫びました。
「戦死した仲間たちに意味を与えるのは我々だ! あの勇敢な死者を! 哀れな死者を! 想うことができるのは! 生者である我々だ! 我々はここで死に、次の生者に意味を託す! それこそ唯一! この残酷な世界に抗う術なのだ! 兵士よ怒れ! 兵士よ叫べ! 兵士よ!! 戦え!!」
死を目前にした人間の恐怖を肯定しながらも、それを誇りへと転換させる小野大輔氏の鬼気迫る熱演は、アニメ史上に残る名演説となりました。また、エレンの「戦わなければ勝てない、戦え、戦え」や「オレがこの世に生まれたからだ」という言葉には、一切の妥協を許さない純粋な自由への執念が宿っています。調査兵団のかっこよさとは、心臓を捧げる覚悟を持った者たちだけが放つ、高潔な精神性に他なりません。