日本における邦楽ロックの進化は、野音の歴史と完全に重なる。70年代のロック黎明期から80年代のバンドブーム、そして現代に至るまで、数々のミュージシャンがこのステージで自らの存在を証明してきた。屋根のない空間ゆえに天候に左右され、時には土砂降りの雨の中で伝説的なパフォーマンスが生まれたこともある。
全国各地で大規模な野外音楽フェスティバルが当たり前となった今でも、日比谷野音の存在感は特別だ。客席とステージの圧倒的な近さ、すり鉢状の客席設計が包み込む独特の空気感。ここで演奏すること自体が、日本の音楽シーンにおけるひとつの到達点とみなされてきた歴史がある。