インターネット上のコミュニティやSNSでは、「西洋薬は危険だから漢方薬の小青竜湯なら安心」といった言説が散見されます。しかし、これは医療現場から見れば非常に危険な誤解です。
小青竜湯に含まれる生薬「麻黄(マオウ)」には交感神経刺激作用を持つエフェドリン類が含まれており、母体の血圧上昇や動悸、子宮筋収縮を誘発するリスクを孕んでいます。妊娠高血圧症候群の傾向がある妊婦には禁忌となるケースもあり、「漢方=副作用がない」という認識は改めなければなりません。
また、「第1世代のポララミンは昔の薬だから効き目が悪い・危険」という声もありますが、産科医がポララミンを処方する最大の理由は「半世紀以上にわたり奇形発生率を上げなかったという揺るぎない歴史的エビデンス」にあります。最新の薬が必ずしも妊婦にとって最善とは限らず、歴史の長さが安全性の担保となるのが周産期薬物治療の特殊性です。