近年、地球規模の気候変動によって低標高のスキー場が営業期間の短縮を余儀なくされる中、横手山・渋峠エリアの存在感は際立つばかりだ。標高2,000メートルを超える山頂付近は、外界が雨であっても氷点下の乾いた雪が降り積もる。湿気が極限まで削ぎ落とされた雪質は「アスピリンスノー」と呼ばれ、板が吸い付くような独特の滑走感を提供する。
気象条件の厳しさは折り紙付きだが、それこそが天然の冷凍庫として機能する最大の強みだ。シーズン前半の12月から1月にかけては氷点下15度を下回る日も珍しくなく、降った雪が傷むことなくそのまま積層していく。気象データの分析からも、このエリアの降雪持続性は本州トップクラスであることが実証されている。