時計の針を少し巻き戻してみよう。1996年、ウィズの横井昭裕とバンダイの真板亜紀という二人の天才的なアイデアの融合によって、たまごっちは誕生した。「いつでもどこでも連れて歩けるペット」という前代未聞のコンセプトは、女子高生を発端に瞬く間に世界中へと感染した。
当時を知る者にとって、あの独特のたまご型フォルムと3つのボタンは、青春の記憶そのものだ。現在展開されている食玩シリーズは、初代開発陣が注ぎ込んだ「手のひらサイズで命を育てる」という哲学を忠実に受け継いでいる。極小のパーツになっても、画面の中の「まめっち」や「くちぱっち」の存在感は色褪せない。ただ小さく縮小しただけではない。当時のプラスチック成型のバリ感や画面シールのフォント配置に至るまで、当時の設計思想を徹底的にリバースエンジニアリングしたかのような狂気的なこだわりが、コレクターの心を掴んで離さない理由である。