しかし、妊娠の可能性が開かれたからといって、そのプロセスが安全であることを意味するわけではない。日本産科婦人科学会をはじめとする国内の専門機関や、世界保健機関(WHO)は、超高齢妊娠に伴う重大な身体的リスクについて強い注意を喚起している。
母体側のリスクとしては、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の発症率が顕著に高まることが挙げられる。さらに、加齢に伴う血管系の変化により、脳出血や深部静脈血栓症、心不全といった命に関わる合併症のリスクも増大する。分娩時の大量出血や帝王切開率の上昇も避けられない現実だ。
また、胎児にとっても、早産や低体重児出生のリスクが高まる。医療技術がいかに進歩しようとも、50代の母体が受ける生理的な負荷を完全に打ち消すことはできず、慎重かつ手厚い周産期管理が不可欠となる。