石切神社が強力な縁切りスポットと呼ばれる最大の理由は、ご祭神である饒速日尊(にぎはやひのみこと)と可美真手命(うましまでのみこと)が司る神宝の威力にあります。社名にある「劔箭(つるぎ・や)」の名の通り、強固な巨岩すらズバッと切り裂き貫くほどの威力を秘めた剣と矢が御神体として祀られており、この鋭利な霊力が「あらゆる災禍や悪因縁を断ち切る力」の源泉です。
古来より関西圏では、がんや悪性腫瘍をはじめとする腫れ物を大阪弁で「でんぼ」と呼んできました。石切神社は「でんぼの神様」として病気平癒の祈願で圧倒的な崇敬を集めてきましたが、参拝者の切実な願いは肉体の病巣にとどまりません。人の心を蝕む悪癖、腐れ縁、職場や親族間の人間関係のトラブルなど、「人生の腫れ物=悪縁」を根こそぎ断ち落とすとして信仰の輪が広がっていきました。
人を不幸に陥れるための呪術的な縁切りではなく、参拝者の心身に巣食う災いそのものを神聖な刃で絶ち、清らかな元の状態へ戻すというアプローチこそが、石切劔箭神社ならではのご利益の本質です。