昭和の映画・ドラマ界の第一線を走り続けていた天知茂の命を突然奪ったのは、脳の太い血管にできた動脈瘤が破裂するくも膜下出血でした。1985年(昭和60年)7月27日午後4時15分、入院先の病院で静かに息を引き取りました。
くも膜下出血は、前触れなく突然の激しい頭痛とともに発症することが多く、働き盛りの世代を突然襲う恐ろしい病気として知られています。当時54歳だった天知茂は、まさに俳優として円熟の極みに達しており、脂の乗り切った時期でした。健康そのものに見えた大スターの突然の訃報に、当時の世間は「何かの間違いではないか」と耳を疑いました。
病床には医師団による懸命な救命処置が施されましたが、脳へのダメージは極めて深刻であり、意識が回復することのないまま旅立つこととなりました。