奈良カエデの郷ひらら完全解剖|木造校舎と1200種紅葉の魅力と真実

奈良カエデの郷ひらら完全解剖|木造校舎と1200種紅葉の魅力と真実

奈良カエデの郷ひらら完全解剖|木造校舎と1200種紅葉の魅力と真実の重要ポイントをご紹介します。役立つ情報が詰まっています。

宇陀市の静かな集落に佇む「奈良カエデの郷ひらら」の門をくぐると、まず目に飛び込んでくるのが、堂々たる佇まいを見せる総木造2階建ての校舎です。1935年(昭和10年)に建造された旧宇太小学校の木造校舎は、平成18年(2006年)に過疎化と統廃合によって閉校を余儀なくされました。全国各地で数多くの廃校が解体の憂き目に遭うなか、この校舎は地域住民の並々ならぬ熱意と保存活動によってその姿をとどめることになります。

再生の決定打となったのは、世界的カエデ研究家・収集家である矢野正善氏が私財を投じて収集した膨大なコレクションの寄贈でした。宇陀市と地域有志によるNPO法人がタッグを組み、校庭跡地に植栽されたカエデは世界約1,200種・約3,000本。これは公私立の植物園を含めても国内屈指の規模を誇ります。アジア、北米、ヨーロッパなど世界中から集められた希少種が一堂に会する光景は、植物学的な学術価値とノスタルジックな風景が見事に融合した、日本国内でも類を見ない景観美を生み出しています。

映画やドラマのロケ地としても度々選ばれるこの場所は、単なる「写真映えスポット」の枠に収まりません。長年踏み固められた階段の滑らかさ、手回しの古いオルガン、陽だまりが落ちる教室の机など、失われゆく日本の原風景が本物の質感を持って保存されている点に、多くの現代人が胸を打たれるのです。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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