作中で明かされるのは、グラマラスで狂気的な大人のヒソカではなく、路頭に迷い倒れていた少年時代の姿である。彼を救い上げたのは、サーカス団の団長であり念能力者でもあるアビガニメという人物だった。ヒソカは驚異的なセンスで念の概念を吸収し、独学でオーラを変化させる技術を体得していく。
ここで大きな注目を集めるのが、彼が代名詞とも言える『伸縮自在の愛(バンジーガム)』を発想した瞬間だ。彼が幼少期に好んでいた貧しい菓子「バンジーガム」の食感から着想を得たというエピソードは、彼の軽薄さと冷酷さの裏にある孤独を象徴している。ガムのように伸び、かつ付着する念の性質は、彼自身の気まぐれで執着心の薄い人格形成と不可分に結びついている点が興味深い。