では、なぜ実際に地震の前後で激しい頭痛に苦しむ人が後を絶たないのでしょうか。その背景には、「気象病(天気痛)」と「微気圧変動」が深く関わっています。
大きな地震が発生する局面では、気圧配置の変化(低気圧や前線の接近、台風の通過など)が重なっている事例が多々見られます。低気圧が接近すると、耳の奥にある「内耳(前庭系)」の気圧センサーが急激な気圧低下を敏感にキャッチします。この刺激が脳の視床下部や前庭神経核に過剰に伝達されることで、自律神経のバランスが一気に崩れます。
自律神経が乱れると、脳内の血管を取り巻く三叉神経が刺激され、神経伝達物質(ペプチド類)が放出されて血管が拡張・炎症を起こします。これがズキズキと脈打つような「偏頭痛(片頭痛)」の引き金となります。断層活動や大気擾乱に伴うわずかな気圧の揺らぎ(微気圧変動)を内耳が敏感に捉え、身体症状として頭痛が現れるケースも確認されています。