ネット上で「諏訪湖花火 2023 中止」という検索キーワードが急上昇した最大の理由は、複数の異なる情報が誤認・混同されたことにあります。取材班が公式発表および当時の動向を精査したところ、主に3つの明確な要因が浮き彫りとなりました。
第1の要因は、毎年9月上旬に同じく諏訪湖畔で開催されていた「全国新作花火競技大会」の開催中止です。若手花火師が腕を競い合う同大会は、2023年度の開催見送りが早い段階で公式発表されていました。これがメインイベントである8月15日の「諏訪湖祭湖上花火大会 2023」と混同され、「諏訪湖の花火が中止になった」という断片的な情報がSNSを中心に独り歩きしてしまったのです。
第2の要因は、コロナ禍における開催形式の変遷です。2020年から2022年にかけては、感染症拡大防止の観点から大規模な1日開催が見送られ、期間を分散して打ち上げる「諏訪湖サマーナイト花火」などの代替形式が取られていました。そのため「2023年も従来の一斉打ち上げは中止なのではないか」という先入観が根強く残っていました。
そして第3の決定打となったのが、観覧席の完全有料化です。第75回大会では安心・安全な導線確保のため、従来の無料開放エリアを撤廃し「チケット有料席のみの完全指定制」へと移行しました。この変更が一部で「一般観覧の中止」「自由席の中止」とセンセーショナルに切り取られ、全体の中止説へと誤認が拡大したのが真相です。