西武新宿線(中井駅〜野方駅間)の連続立体交差事業は、中野区新井一丁目から同区野方六丁目までの約2.4キロメートル区間を地下化する東京都主導の都市基盤プロジェクトです。現在、施工現場ではトンネル躯体の構築やシールドマシンの推進、軌道敷設へ向けた準備が佳境を迎えています。
東京都都市整備局が告示した最新の事業計画変更に基づくと、事業完了の目標期日は2027年3月31日と定められています。もともと本事業は2020年度(令和2年度)の完了を目指して着工されましたが、複雑を極める地下支障物の移設や難工事に伴い、工期が複数回見直されてきました。
ここで着目すべきは、「事業完了」と「実際の列車地下切り替え(踏切除却)」の時差です。鉄道の大規模地下化では、レールと保安設備を地下新線に切り替えて踏切を全廃する「地下運行開始」が先行し、その後に旧線路の撤去や地上部側道の整備が行われます。取材に応じた鉄道インフラ関係者は、「設備切り替えのタイミングが事業成否のクライマックスであり、地上踏切の遮断機が上がったままになる歴史的瞬間は着実に近づいている」と語ります。