南田洋子さんと長門裕之さんが長年暮らしていたのは、東京都世田谷区等々力の閑静な高級住宅街に建つ豪邸でした。この邸宅には個人事務所やプライベートなリハーサルスタジオが併設され、数多くの俳優仲間や後輩が集う文化的拠点でもありました。
南田さんが認知症を患ってからは、この自宅が壮絶な在宅介護の舞台となりました。段差をスロープに改修し、手すりを設置するなど、妻が住み慣れた環境で最期まで安心して暮らせるよう長門さんが細やかな配慮を施した場所でもあります。
南田さんの逝去から約1年半後の2011年5月、後を追うように長門裕之さんも77歳で逝去。その後、相続や事務所整理の一環として世田谷の豪邸は売却・解体され、現在は新しい住宅へと姿を変えています。物理的な建物は姿を消したものの、二人がこの場所で築き上げた深い愛情の記憶は、映像や書籍の中に永遠に刻まれています。