リップクリーム選びで最も多くの人が陥る失敗が、「薬事区分」の混同です。パッケージに書かれている分類を正しく理解していなければ、求める効果が得られないばかりか、かえって症状を長引かせる原因にもなりかねません。
1. 化粧品(保湿・柔軟目的)
主に油分や美容成分を補給し、唇の乾燥を防ぐための日常ケア製品です。香りを楽しみたい場合や、色付きリップクリーム血色感を演出したいメイクアップ目的、ツヤを重視したいシーンに適しています。荒れを未然に防ぐ予防用であり、すでに炎症を起こしている部位を治療する効能はありません。
2. 医薬部外品(薬用・予防目的)
「薬用」と表記される製品で、厚生労働省が認可した抗炎症有効成分(グリチルレチン酸ステアリルなど)や血行促進成分(ビタミンE誘導体)が一定濃度配合されています。医薬部外品リップケアは、日頃から唇がカサつきやすい人の荒れ予防や、健やかなコンディションを維持するための日常使いとして最も適しています。
3. 第3類医薬品(治療目的)
唇の亀裂、皮むけ、ただれ、口角炎などの「症状を治療する」ための医薬品です。アラントインなどの組織修復成分やビタミン群が医療用基準で配合されています。ただし、医薬品はあくまで治療薬であるため、症状が治まった後も365日使い続けるのは推奨されません。治癒した後は、医薬部外品や化粧品での日常保湿へスムーズに移行することが皮膚科的にも合理的です。