過門香の真骨頂は、中国四大料理の美徳を現代的なスタイルへと昇華させたヌーベルシノワのスタイルにある。重厚な味わいが特徴の北京料理と、ダイナミックで芳醇なスパイスが香る四川料理が見事に共存している点が、他の追随を許さない魅力となっている。
特に「麻婆豆腐」は、かつて日本の四川料理界を牽引した故・陳建一氏らの伝統に敬意を払いながらも、過門香独自の痺れと辛味(麻辣)を追求した逸品だ。挽肉の旨味と本場四川省産の痺れる花椒が織りなす立体的な味わいは、一度食べたら病みつきになる。伝統的な技法をリスペクトしつつ、見た目にも美しいモダンフレンチのような盛り付けで提供される料理の数々は、味覚だけでなく視覚でも楽しませてくれる。