印刷用紙を比較検討する際、候補に挙がる代表的な4銘柄にはそれぞれ明確な長所と短所があります。用途を誤ると、「文字が反射して読めない」「色がくすんで高級感が損なわれた」といった致命的な発注ミスにつながりかねません。
実務で頻繁に比較されるのがコート紙とマットコート紙の違いです。マットコート紙は表面の艶を意図的に抑えており、室内の蛍光灯下でも文字が白飛びせず読めるという高い可読性を持ちます。一方、色の鮮やかさやメリハリの強さではコート紙に軍配が上がります。
また、アート紙とコート紙の光沢比較を行うと、アート紙は塗工量がさらに多く、紙表面の細かな凹凸が限界まで排除されています。そのため、高精細な階調表現が求められる美術館の図録などではアート紙が指定されますが、一般の商業印刷ではコストパフォーマンスに優れたコート紙で十分以上の美麗な仕上がりを得られます。対照的に、コート紙と上質紙の印刷仕上がり評判を比べると、上質紙はインクが紙繊維に吸収されるため色が沈み、少しくすんだ柔らかい印象になります。文字主体の会報やペンで書き込ませる用紙には上質紙が必須となりますが、カラー写真を目立たせたい販促用途ではコート紙の鮮烈な発色が有利です。